教育

教科書や新聞記事レベルの文章をきちんと理解できない中高生が多くいる

投稿日:18/11/2017 更新日:

中学を卒業するまでに教科書を読めるようにすることが義務教育の課題。これって当たり前のことなのですが、教科書や新聞記事レベルの文章をきちんと理解できない中高生が多くいることが、国立情報学研究所の調査で分かったといいます。

文章を読むことについて若者の声を聞いてみると、
「問題を考えるより文章を読むのが大変。文章が読めない」(18歳・女性/大学生)
「数学の授業で計算する時に、文章で手こずって何を聞かれているのか『ん?』ってなったことはある」(18歳・女性/アパレル業)
と、抵抗を感じたことがある声が聞かれる。

実際にどのような問題が出題されたのか、次に3つを紹介

【例題1】
「幕府は、1639年、ポルトガル人を追放し、大名には沿岸の警備を命じた」
「1639年、ポルトガル人は追放され、幕府は大名から沿岸の警備を命じられた」
問:上の文が表す内容と下の分が表す内容は同じか、「同じである」「異なる」のうちから答えなさい
※出典:東京書籍(株)中学校社会科教科書「新しい社会 歴史109P」

正解は「異なる」で、正解した17歳の女子高生は「やばいと思う。問題以前じゃないか。文章だから」と話す一方、不正解の女子高生は「何も言えない」とショックを受けた様子。ちなみに、この問題の正答率は中学生が57%、高校生は71%だった。

【例題2】
「Alexは男性にも女性にも使われる名前で女性の名Alexandraの愛称であるが、男性の名Alexanderの愛称でもある」
問:この文脈において、以下の文中の空欄にあてはまる最も適当なものを選択肢のうちから1つ選びなさい。

「Alexandraの愛称は(  )である」
(1)Alex (2)Alexander (3)男性 (4)女性
※出典:開隆堂出版(株)中学校英語科教科書「Sunshine3」

正解は「(1)Alex」で、中学生の正答率は38%、高校生の正答率は65%。

【例題3】
「仏教は東南アジア、東アジアに、キリスト教はヨーロッパ、南北アメリカ、オセアニアに、イスラム教は北アフリカ、西アジア、中央アジア、東南アジアに主に広がっている」
問:この文脈において、以下の文中の空欄にあてはまる最も適当なものを選択肢のうちから1つ選びなさい。
「オセアニアに広がっているのは(  )である」

(1)ヒンドゥー教 (2)キリスト教 (3)イスラム教 (4)仏教
※出典:東京書籍(株)中学校社会科教科書「新しい 地理」36P

正解は「(2)キリスト教」で、中学生の正答率は62%、高校生の正答率は72%だった。

なお、国立情報学研究所・新井教授らの研究グループの調査では、正答率の期待値は80%を設定して作成しているといいます。

教科書や新聞が理解できない? 読解力の低い中高生が「多い」結果が判明 問題例3つ
教科書の作り方がおかしい、というか、そもそも教科書は子どもが興味をもつように作られていません。子どもたちの現状というか関心に合った歴史に興味を持つような構成になっていませんから、それを「理解させようとすること」に無理があります。

そもそも「中学の歴史の教科書を理解する」ってどういうことでしょう?
学習指導要領にはそうは書いてないです。
歴史的分野の目標は「教科書の理解する」のではありません。

「(1) 歴史的事象に対する関心を高め,我が国の歴史の大きな流れと各時代の特色を世界の歴史を背景に理解させ,それを通して我が国の文化と伝統の特色を広い視野に立って考えさせるとともに,我が国の歴史に対する愛情を深め,国民としての自覚を育てる。 」
評価規準の作成,評価方法の工夫改善のための参考資料(中学校)から抜粋

教科書をつくっている人たちは、その道の専門家といいますが、教科書を作る専門家」であって、「歴史を楽しく学ぶことができる専門家」ではありません。
教科書は国の検定を通らなければいけないので、これでもかという制限があります。その内容も扱う人物や出来事もページ数も縛りがあります。面白い構成を作ることもできるのですが、多くのハードルを超えなければ検定に合格できません。
だから、ちっとも面白くありません。
さらに、学校の授業では「覚えること」が目的になっているので興味がないことまで覚え込まないといけません。
そもそも教科書から勉強に入るから面白くないのです。教科書のページをめくっても何のワクワク感もドキドキ感も感じられません。教科書を見て「勉強してみたい!」って思っている子は何人いるでしょうか?初日に配られた一瞬は感じているかもしれませんが。
まさに「やらされている歴史学習」ですから、ちっとも面白くないです。
歴史の古い順から扱うのも面白くない理由のひとつでしょう。
歴史なんて、どの時代、どの人物から始めたっていいんです。

学校では「教科書で教える」「教科書を教える」ことが目的なので、教員の中にはただ教科書を読んで多少の解説をするだけの授業をしている者もいます。こんなのことなら誰でもできます。教員免許なんかもってなくてもできます。

だから、教科書を補助教材にして時々確認するような授業構成にしたほうが絶対面白いです。
「歴史ゲーム」もありますし、「漫画日本の歴史」なんかすごくいいです。
その中から「この人カッコいい、この人すごいなあ」「こんなこと、よくできたよなあ?」と感じたりそこから興味を持てば、自分で調べてみたいという気持ちになります。
漢字が読めないとか言葉の意味が分からないとかいうのは、「やらされている勉強」だからです。自分が「知りたい!」と思えば、漢字も意味も自分で納得できるまで調べます。読めなかった漢字も読めるようになります。別に学年順に漢字の勉強をする必要もありません。
教科書は付録として扱えばいいです。
興味を持てば、「ああ、あのことって、教科書のここに書いてあることなんだ!」というように、自分が気づいたことや調べたことを確認するのに使ったらいいです。そうすると、「教科書の次のページも読んでみようかなあ。」となることもあります。
だから、国語が先か社会が先かという問題でもないです。
受験勉強をする場合でも、興味・関心をもてるような仕掛け作りが必要です。

ちなみに、私が中学生のころは自分で調べてきたことを発表するという授業スタイルだったので、人とちがう切り口で発表することが楽しみでした。高校のテストは教科書もノートも持ちこみ可だったので、覚える必要は全くありませんでした。
なので、教科書に縛られなくても、「歴史的分野の目標」に到達できる授業構成をしたらいいです。
いろんな方法で学習ができますので、今の学校でもやろうと思えばできると思いますよ。


【2019年ビジネス書大賞 大賞】AI vs. 教科書が読めない子どもたち


AIに負けない子どもを育てる

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