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「合理的配慮」とは学校でも社会でも「当たり前のことを当たり前にする」ことです

投稿日:14/05/2017 更新日:


ある子に他の子とちがうことをすると、日本の学校では「ずるい」という声があがります。
日本の学校では、一人に違うことをしようとすると、「えこひいき」と言われます。

ひとりだけ「特別扱い」はできない?
学校は「個に応じた指導」はできないのですか?
それなら、学校には行けないでしょう。
学校で勉強をさせてもらえない、勉強ができないのですから、それでは学校は何のためにあるのですか?

「学校へ行かないと勉強ができないよ」
「学校へ行かないと友達が作れないよ」
「学校へ行かないと社会性が育たないよ」
「小さな学校だと切磋琢磨できなくて競争力が育たないよ」
「だから学校を統合して、競争力を育てる必要があるんだよ」
これ、本気でそう思っているのですか?
はあ~~??

学校へ行かなくても、勉強はできます。
学校へ行かなくても、たくさんの友達や仲間が作れます。
学校へ行かない方が社会性が育ちます。
学校へ行かないほうが、強くなります。国際的な競争力も育ちます。

周囲の理解や適切な対応ができたら困難なことではなくなる

現在、1クラス約30人に2人は発達障害をもつ子どもがいるというデータもあり、「授業中にじっとしていられない」「空気を読めない」など行動面での著しい困難や学習面での著しい困難を示している子がたくさんいます。
行動面での著しい困難によって、親や教員から「この子は問題行動ばかり起こして、なんて子なの!」と酷い叱責を受けたり、学習面での著しい困難によって、文章を読んだり書いたりできない、問題が読めない、答えは分かっていても書くことができないため、担任からは、「勉強をさぼっている、授業中に怠けている」と見られて注意を受けることがしばしばあります。
さらに、脳の障害の専門家である精神科医の理解も不十分なため、酷い言葉かけで辛い思いをしています。

「困難」を感じている本人も、他の子は普通に読み書きができるのに、「自分はできない、普通じゃない」ということがとても恥ずかしく思っています。
しかし、これは周囲で「もっと理解や適切な対応」ができたら困難なことではなくなります。それは、「ずるい」ことでも、「えこひいき」でもありません。
当たり前のことです。

学校は誰のため何のためにあるのですか?

平成28年4月より施行された障害者差別解消法に伴う「合理的配慮」も、この「当たり前のことを当たり前にする」ためです。
しかし、親が待っていても学校が対応してくれるものではありません。親が要望しても、ほんの些細なことができない学校の方が多いです。
・教室が明るすぎて目がチカチカする。
・教室の中が雑然として集中できない。
・周囲の音が気になって落ち着かない。
・読み書きが遅いために黒板の字が書きとれない。
・教員の話が聞き取れない。
・教員の叱る声が怖くて教室にいられない。
・イスが硬くて長い時間座れない。
このようなことを解決することは、大掛かりなことをしなくても「ちょっとした工夫」でできます。
窓にカーテンをつけたり、子どもの間に仕切りを置いたり、イスにクッションを置いたり、蛍光灯を変えたりなど、たいしてお金をかけなくてもちょっとしたことでできます。
しかし、学校では、それが実現するまで何ヶ月も何年もかかります。
中には学級担任が自費で購入して設置しているケースもありますが、こんな簡単なことすらできないのが学校です。

これらを実現するためには、いちいち保護者が実際に学校へ子どもの状態を説明し、納得の上で個別の配慮をお願いしていく必要があります。新しい学年に変わると、そのたびにいちいち0から学校に説明する必要があります。
前年度からの引き継ぎがまったく行われていないために、校長や担任が変わると、また0からのスタートとなっているのです。
保護者が「いちいち」学校を訪問して一回一回話をしなければなりません。
さらに、話を伝えたからといって実現できるかどうかは分かりません。
学校で勉強をさせてもらえない、勉強がができないのですから、それでは学校は何のためにあるのですか?
もちろん、すべての学校がそうだといっているのではありません。
中には個に応じた丁寧な対応をしている学校も、熱心で指導スキルの高い教員がいることも知っています。
それらの学校でやっていることを広く共有し、すべての学校での対応がされることを望んでいます。

合理的配慮は特別扱いではなく「ちょっとした工夫」でできるにも書きましたが、「合理的配慮」とは、障害がある人にツールを与えることではありません。「障害者のため」に「特別なこと」をすることではありません。
学校では、「ちょっとした工夫」でできることもありますから、保護者の提案を聞いて、今の学校でできることをしていくだけでいいのです。
障害があるないに関わらず、どの子にとっても学校生活がスムーズにできる支援体制や環境を整えていくことが必要です。

こちらのページに合理的配慮を要請するときに誰にどこにどのように伝えていったらいいの?について書いています。

合理的配慮は公的機関・公立学校の法的義務です

学校教育現場における児童生徒に対する「合理的配慮」は、公立学校であれば「法的義務」があります。
「文科省資料3:合理的配慮について」
(1)障害のある児童生徒等に対する教育を小・中学校等で行う場合には、「合理的配慮」として以下のことが考えられる。
(ア)教員、支援員等の確保
(イ)施設・設備の整備
(ウ)個別の教育支援計画や個別の指導計画に対応した柔軟な教育課程の編成や教材等の配慮
これは、「法的義務」です!

「合理的配慮の否定」も「障害に基づく差別」であると定義されています。
つまり、「障害のある人に必要な配慮を、出来るのにやらないことは、差別だ」ということが明確に示されたわけです。
このように法律で定められていて、公立学校がそれをしないと義務違反になります。

発達障害だけでなく、学校で「困っている子」はたくさんいます。
「困っている教員」も「困った教員」もたくさんいます。
他の子とちがうことをすることは、「ずるい」ことでも「えこひいき」でもありません。
合理的配慮は「ちょっとした工夫」で可能なのです。
これからもひき続き、「当たり前のことを当たり前にする」ための行動を続けていきます。

学校に合理的配慮をお願いするための資料

合理的配慮を具体的にお願いするためのステップ

障害のある子が将来にわたって受けられるサービス

合理的配慮も元論大切ですが、行政が行っている支援として具体的にはどんな公的なサービスがあるのかなかなか分からない人も多いです。
わが子に障害があったらどうする?
親が元気に働けなくなったらどうする?
そんな心配に応えてくれるサービスはたくさんあります。

自治体によって異なりますが、この本は、障害があることで利用できる福祉サービス、公的な支援策、経済的なサポート制度などを、本人の年代やシーンごとに紹介しています。こういった制度を知ることで、漠然とした不安を抱えている状態から、悩みの具体的な課題が明確になります。
そして、自分たちは今後どんなことを準備していけばいいのかも見えてくると思います。

分かりやすくまとめてあるのでとても読みやすいのでおすすめです。

障害のある子が将来にわたって受けられるサービスのすべて


障害のある子の「親なきあと」

今はまだ自分は元気だし、子どもの将来のために何をすればいいのかもわからない。
心配はしているけど実際の準備は何もされていない、という方が多いのではないでしょうか。
いたずらに不安を感じながら毎日を過ごすよりも、現在から将来に向けて「今できること」をするために大変参考になる本です。

自身も知的障害のお子さんを持ち、全国をかけまわり多数の講演をつづける著者ならではの親身なアドバイスと最新情報が詰まっっています。障害のある子の家族が知っておきたい「親なきあと」、『障害のある子が「親なきあと」にお金で困らないようにまとめて最新情報を更新してあります。

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