教育

吃音の息子さんの作文 どうなったと思いますか?

投稿日:24/03/2016 更新日:

今日は多くの学校で修了式がありました。
一年間で最後の一日です。

学校へ行っている子も行っていない子も、それぞれの思いで今日の日を迎えたことと思います。
今は退職しましたが、いつになってもやっぱりこの日は私にとって「特別な日」です。
いろいろな意味で一番気になる日です。

息子さんの作文、ぜひ読んでください。

私のFacebook友達の息子さん(5年生男児)の作文と親子の葛藤です。低学年のうちから、自分で吃音を説明できないと、人と接するのが怖くなる可能性があります。吃音を説明するソーシャルスキルは大切です。そして、吃音を抱え込むのではなく、知ってもらいたいのが思春期の特徴の一つだと思います。名前を匿名にしています。
以下、転送
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驚くほど長文です…ご注意くださいf(^_^;

先週、こんな宿題がでました。
『5年生のふりかえりと6年でがんばりたいこと』という題での息子の作文です。

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五年生のふりかえりと6年でがんばりたいこと

ぼくは、四年生までは人をさけていました。それは、ぼくには言葉をくりかえしたり、最初の言葉がでにくい、きつ音があります。それで、ぼくは二年生まではなにかわからなかったので、きつ音のことを聞かれても説明できずに、そのことがストレスになっていました。そのことがくるしくて言葉の教室にいきはじめました。そこは、同じきつ音の人が集まるところです。そこでいっしょにきつ音のことを勉強したりしています。一年二年と人をさけてきたので、コミュニケーションがみんなよりとれません。
でも、ずっとさけているのもダメなので、五年ではたくさんの人とかかわろうと思い、たくさんの人とかかわりました。そしたら、やっぱりコミュニケーションがうまくとれず自分の気持ちがうまく伝えきれずにまちがってとられてしまい、それも毎日のストレスで、五年生で初めて友達と大ゲンカをして、その人の服をやぶいてしまいました。ぼくの五年生のふりかえりは感情をばく発させてしまったことです。
六年生では、言葉の教室ではなく、コミュニケーションがぼくはとれないので、そのコミュニケーションの教室にいくことにしました。そこで、ぼくの六年生でがんばりたいことは、人とたくさんかかわり、うまく自分の気持ちを伝えることです。そして、きつ音の事をうまく説明する事です。世の中には、学校では学べないとてもたくさんのことがあります。ぼくは、これからも知りたいことは、「知りたいことは知りたい」と言う気持ちを持ち続けて、たくさんのことを学んでいきたいと思います。
最後に、ぼくは少しどもるだけで、聞きづらいことがあるかもしれないけど、あまり気にしないでください。
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30分もかからず一気に書き上げてから、息子自身が読んでくれました。

用紙を見たら、ひらがなばかりで、文章もまとまってなく5年生としてこれはどうなの?!とも思いましたが、題材にきつ音のことを選んだことには、少し私が動揺しました。
しかし、彼のこの1年の急激な心の成長と、今まで心に溜め込んだ気持ちが溢れだしたような内容で「お母さんは本当に素晴らしい作文だと思います。」と涙ながらに、心からただ絶賛しました。

そんな中、心配そうな妹。
「お兄ちゃん、これってクラスで何人か選ばれて、修了式にみんなの前で読むやつじゃないと?選ばれたらどうすると?」と不安顔。

それに対して彼は、
「大丈夫!!絶対!!選ばれんけん。もし、選ばれることがあれば、ただ読むだけたい。心配せんでいいよ。」と、あっさり答え、いつもの余裕の表情でした。
4年生の時から、自己紹介にはまずきつ音のことを自ら話してきた彼だからこその返答だと思いました。

家族の心配をよそに、彼はきつ音をきちんと受け入れ、もっとみんなに知ってもらいたいという思いで、ただ一直線に目標に向かって前進していると感じました。

しかし、実は大人は何か問題が起こるかもしれないことは、事前に回避するということを知っている賢い彼の「絶対!!」という言葉なのだということを私は知りました。

さて、結果どうなったと思いますか?

選ばれた人たちの中に、息子の作文はなかったそうです。
それに気づいた息子へ先生は、
「とてもよく書けていたけれど、自分ことをみんなの前で話すのは嫌でしょ?」と言われたそうです。
それに対して彼は「そうですね。」と答えたそうです。

なぜ?!先生はそんなことを彼にいったのでしょうか?

そして、彼は私に先生との会話を伝えると後にこう続けました。
「先生は、気を遣ってくれたとよ。」と。

なので、私は息子にこう尋ねてみました。

「じゃあ、自分のことをみんなの前で話すのは誰でも嫌だけど、もし選ばれたとしてもA君は読みたくなかったの?」
すると、
「いや、そんなことはないよ。でも、先生が気を遣ってくれたとたい。」と答えました。

先生が気を遣ったのは…
彼の作文力に対してなのか?!
彼のきつ音になのか?!
先生の一言で、彼にはすべてがわかっているかのようでした。だからこそ、「そうですね。…でも僕は…」と言葉を続けなかったのでしょう。

自分ことを話すのが嫌 = (イコール)だから発表したくない
と単純に思ってしまう大人に対して、
彼は内心そうではないことに私は「やはりそうか…」と思い、さらに先生に対して逆に気を遣う言葉が添えられていたことに、「彼らしいな…」と改めて彼の素晴らしさを感じることができました。

彼にとって先生の選択は正解だったのか?不正解だったのか?私にはどれが正解かなんてわかりませんが、親としては彼の意思に添ってチャレンジさせてみたかった気もしています。ただ、先生としては、読ませるべきではないという今の小学校の現状があるのだとも思います。
これからもこんな状況が幾度となく彼には訪れるのだろうなぁ…と、また少し悲しく感じました。

今まで色んな状況を自分自身で乗り越えてきた彼だからこその、大人に対しての「気を遣ってくれた…」と、自分を納得させる言葉なのかもしれません。

親として、そして大人の一人として、とても複雑な思いの数日間でした(-_-)

私以上に、息子は大人との付き合い方を知ってるのかもしれません。

明日の修了式、彼はどんな気持ちで友達の読む作文を聞くのでしょうか?
きっと、彼のことだから、「僕のよりすごくいい作文だったよ。」と笑顔で帰ってくる気がしています。そこが彼の素晴らしいところですから。

そして、きっと妹が「ママ~っ、お兄ちゃんの作文の方が絶対よかったけん。」と、兄を思う妹が横にいるのだと思います。

それはそれでいいかな…(*^^*)

学校では発表できませんでしたが…
皆さんに読んでもらえて幸せですね(*´∀`*)
ありがとうございます(^.^)(-.-)(__)

菊池 良和さんのFacebookより

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